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ワインのエッセイ

ワインエキスパートは意味ない?就職に役立つ?気になることを徹底解説!

2023年9月15日

ワインエキスパートは意味ない?就職に役立つ?気になることを徹底解説!

「WINE LINE」は無資格状態からワイン業界に転職し現場で揉まれ、ワインエキスパートを取得して最終的に独立まで果たした管理人の雑記ブログである。
ワイン業界の良い面だけではなく、悪い面もしっかりと伝えることを信条としており、私のこれまでの経験を出来る限り記していく所存だ。

さて、当ブログの検索ワードを辿ってみると、下記のワードをよく見掛ける。

  • ワインエキスパート 意味ない
  • ソムリエ 仕事 きつい

上に述べた私の信条の結果だと思うが、ネガティブ(?)な検索ワードが見受けられる。
しかし、それらが読者の皆様の「知りたいところ」であることに間違いない。
過去記事でも何度か解説しているが、改めて記事にしようと思う。

過去記事はこちら

ワインエキスパートは意味がない?

「ワインエキスパート 意味ない」と検索している方々へハッキリ言いたいことがある。

「ワインエキスパートは一生ものの資格!大いに意味がある」
「ワイン業界に転職するならワインエキスパートは必須!」

とにかく、悩んでいる暇があったら、ワインエキスパートを取得した方が良いだろう。
一つずつ解説していく。

ワインエキスパートは一生ものの資格!

ワインエキスパートの資格を持っていれば、ワイン販売の仕事に就くことが出来る。
会社の年齢制限にもよるが、私は80歳を過ぎても売り場に立ち続けている人を知っている。

「ワインの知識を持っている人・販売のスキルがある人」は、常に不足しているのが現状で、これらを有し、更に資格まで持っていれば一生ものの一芸となる。

定年後もコツコツと小遣い稼ぎが可能であり、個人でワイン販売の仕事を請け負うことも出来る。
ワイン販売の仕事は、ただの販売員では無く職人に近い。

ワイン業界は常に優秀なワイン販売員を求めているのだ。

ワイン業界に転職するならワインエキスパートは必須!

「転職」と言うワードを出したのは、恐らくワイン業界に興味を持つ方々が、この記事を読んでいるからだ。
20代~30代半ばなら無資格でも現場で学びながら資格取得が出来るが、アラフォー・アラフィフとなると転職には手土産(資格)が必要になってくる。

アラフォーでもブラック企業のワインインポーターや、比較的入社の敷居が低いショップなら無資格でも就職できる可能性はあるが、知識が無いと入社後に苦労する。
社内のコミュニケーションや接客が上手くいかず辞めたくなるかもしれない。

ワイン業界に限ったことでは無いが、どの企業も人員や金が無いため、社員を一から育てる余裕が無い。
20代~30代半ばなら、会社側も育ててくれるが、アラフォーに求められるのは即戦力、もしくは資格取得者なのだ。

転職には準備が必要

20代なら勢いでワイン業界へ飛び込んでしまうのもありだ。
まだ柔軟性と体力があるので、働きながら現場で知識を付けて、更にワインスクールに通うことも出来るだろう。

そうで無い場合は、せめてワインエキスパートの資格を取得してから転職するべきだ。
ワインエキスパートの受験勉強をしているうちに、自分の適性が分かるはずだ。

ポイント

独学でも良いが、出来ればスクールに通い、しっかりと講座を受講することを勧める。
ワインの世界が広がるし、講師に質問できるので効率が良い。
基本講座でも良いから受けてみよう。

注意ポイント

ワイン会や飲み会を全面的に押し出したスクールだと、講座後に毎回飲みに行くことになる(かもしれない)。
それはそれで楽しいが、煩わしく感じる場合は、真面目で地味なスクールを選択しよう。

ワインエキスパートの受験勉強

ネットで検索すれば様々な参考書がヒットするので、まずは読むことを勧める。
実店舗にもワイン専用コーナーがあるので、そこで立ち読みしても良い。

YouTubeは素人が発信していることが多いので、出来れば専門書が望ましい。
活字が苦手ならプロが発信しているチャンネルを視聴しよう。

ワインエキスパートの受験勉強で得た知識は、そのまま仕事で役に立つ。
特にワインスクールは座学とテイスティングを実施するので、初心者にこそオススメしたい。

受験対策講座でも良いが、大手のスクールは受験対策の「答え」だけ教え、「何故そうなるのか?」を教えない場合がある。
現場では前者よりも後者の方が重要なので、スクール選びの参考にして欲しい。

ワインの勉強が難しくてテンションが下がったら?

いざ勉強を始めると、恐らく情報量の多さに圧倒されるだろう。
これを勉強できるかどうかが、適性を判断する一つの目安となる。
何故なら、職場ではこれらの情報を扱うことになるからだ。

ただ、プロがこれらの情報を全て暗記しているわけでは無い。
プロとは言え、参考書片手に仕事をしているのだ。

また、余程専門的な職場で無い限り、これらの知識が不要な場合も多い。
ワインの知識より、営業や販売、飲食の経験の方が役立つことが多々ある。
勉強が苦手でワインの世界を諦めてしまうのは若干勿体ない。

独学でワインの勉強はかなりハードルが高い。
スクールだとプロの講義の他にテイスティング用のワインまで用意してくれる。
挫ける前に、ワインスクールに飛び込んでみよう。

スクールが面倒なら、通信講座でも構わない。
とにかくモチベーションが下がったら、外部のツールを活用しよう。

ソムリエの仕事はキツい?

「ソムリエ 仕事 きつい」も当ブログで多い検索ワードだ。
この疑問は概ね正しいが、ソムリエ限定では無く、飲食業界がキツいと言える。

  • ランチ・ディナーで生活が不規則になる
  • 勤務時間が長い
  • 年下の先輩からのパワハラ(飲食のパワハラは下品でレベル低いです、蹴られたり包丁突きつけられたり)
  • 給料が安い

若いうちは良いが、不規則な勤務時間は確実に体力と気力を蝕んでいく。
特に遅番は生活リズムが狂わされるのでキツい。
皆さんは、「ワイン」と聞いて昼と夜、どちらをイメージするだろうか。

そして無視出来ない要因に「パワハラ」が挙げられる。
飲食業界は控え目に言って「ヤンチャな先輩」が多い。

体育会系で低レベルなパワハラにオフィスワークからの転職組が堪えられるかどうか疑問である。
「オフィスの女子高生レベルの嫌がらせ」とは別次元の世界だと思って欲しい。
後ほど、コラムでそのワンシーンを語ろうと思う。

ソムリエの場合は、そのキツい要因にプラスして、オフにワインの試飲会へ行かされる可能性もある。
余程体力が無いと勤まらない職種と言える。

給料については、店にもよるが、勤務時間の長さにしては安い・・と言う、飲食業界の実情があるだろう。

コラム【40代転職組が遭った厨房のパワハラ】

それでは、一つ凄惨な話をしよう。

40代(妻帯者)で大手トイレメーカーから脱サラをし調理師の専門学校へ入学した男性の話だ。
元は営業職で人当たりの良い性格だった。(真面目な表情が5秒も続かず、すぐに笑顔になってしまうような・・)
脱サラして調理師の専門学校に通い、調理師を目指す方々は意外と多い。

彼は夜間の調理師の専門学校に通いながら、昼間はスペイン料理店でバイトを始めた。
一回り以上年下の先輩方に囲まれながら頑張って働いていたのだが、案の定パワハラに遭った。

女子大生にしつこく同じ事を注意されて、我慢していた彼は思わず「分かりましたって!」と答えてしまったのだ。
それを反発と捉えられ、陰湿なイジメが始まったのである。
専門学校の飲み会では、「私はスペインの無敵艦隊になるんだ!」とギャグを言っていたが、相当辛かったのだろう。

40代で脱サラまでして調理師を志した彼の心を折った出来事がある。

ムール貝の仕込みをしていると、突然後ろから女子大生に頭を叩かれ、その衝撃で手を怪我してしまったのだ。(包丁で手を切って何針か縫ったらしい)
その瞬間、後ろにいた厨房組から「ギャハハハ」と歓声が起こったのである。
飲み会でそう語った彼の手に巻かれた包帯を今でも覚えている。

そして学生に頭を叩かれた衝撃以上の出来事があった。

彼は事務所で偶然店長の給与明細を見てしまったのだ。
20万円ちょっとの給与額を見て彼は退職した。
脱サラ前の彼の給料は30万を超えていたためショックが大きかったのだ。

その後、彼は通学をしながら就活を始め、結局は以前と同じ業界に戻っていった。
そして専門学校を中退し、もう会うことは無かった。

さて、これは厨房の話だが、飲食業界ではこのようなパワハラは珍しくない。
彼が脱サラした勇気は素晴らしいが、残念な結果になってしまった。
厨房とホールではガラッと雰囲気は変わるが、ソムリエに転職した場合、このような人達と仕事をする可能性があることを頭の片隅に入れておこう。

ワインエキスパートの一問一答

この記事を読んでいる方が抱いている疑問や不安を挙げてみる。

  1. 「いやいや、転職はリスキーだし、ワインが好きなだけでは不安!」
  2. 「20代ならまだしも、そろそろ40代だし。この年でも大丈夫?」
  3. 「脱サラしてワイン業界に挑戦したい」
  4. 「ワインエキスパートよりソムリエの方が良いのでは?」

1~3の方々は社会人であり、恐らくソムリエ受験資格である職歴3年以上をクリアしていないだろう。
現状への不安や不満、ワインへの関心から転職を考えていると思う。
ワイン業界に興味はあるものの、何から始めれば良いか分からず、漠然とリサーチをしながら当ブログに辿り着いたはずだ。

「いやいや、転職はリスキーだし、ワインが好きなだけでは不安!」

ワインのことをよく知らず、漠然とワイン業界に興味を持っている方は多いだろう。
私はそれでも構わないと思う。
転職の動機は「ワインに興味がある」だけで充分だ。
私自身、ワイン業界へ飛び込んだきっかけは漫画の「ソムリエ『城アラキ/甲斐谷忍』」の影響が大きい。

ただ、何の準備もせずに転職するのはリスキーには違いない。
その為にワインエキスパートの資格が存在する。
現在の職場に在籍しながら、受験勉強を開始しよう。

「20代ならまだしも、そろそろ40代・50代だし。この年でも大丈夫?」

前述したが、ワインエキスパートは一生ものの資格である。
おじいちゃん、おばあちゃんが売り場に立っていることも珍しくは無い。
現場で重要なのは年齢よりも知識と経験である。
むしろ若者より年配者の方がお客から信頼を得られることも多い。

ワイン業界は主婦が多い

50代の主婦がワインスクールに通い資格を取得してから、ワイン販売の仕事に就くことは多々ある。
前職の経験を活かして、ワインの輸入で独立をした主婦もいる。
ワイン業界は女性が多いので、臆すること無く挑戦してみよう。

「脱サラしてワイン業界に挑戦したい」

脱サラして、ワインの輸入やショップ、飲食店を始める人は多い。
起業は「出来る?出来ない?」でなく、「やるか?やらないか?」である。
前職の経験を活かせるならスムーズに独立出来るだろう。

ワインの知識も大事だが、前職で培った「営業」「販売」「飲食」等の経験の方も重要だ。
ワイン講師でも無い限り、ワインエキスパートの受験勉強で得たワインの知識は、前述した経験のオプションに過ぎない。
「ワインに詳しくないから・・」と言う理由で諦めては勿体ない。

しかし、無策で臨んでも失敗する。
ワインエキスパートの受験勉強で、しっかりと基礎を身に付けた方が良い。

「ワインエキスパートよりソムリエの方が良いのでは?」

この疑問が一番多いかもしれないが、最近のワイン業界ではワインエキスパートが多く、一昔前よりソムリエの優位性は薄まってきている。
受験難易度も大きな差が無い。

有名ブルゴーニュを卸している某百貨店のワインショップでは、ソムリエとワインエキスパートの資格手当に差を付けていたが、最近では募集要項に明記されなくなっている。
ソムリエにこだわりすぎて人が集まらないからだろう。

「それでもソムリエにこだわりたい!」と言う人がいても否定はしないし、むしろ応援したい。

ワインエキスパートで少々面倒臭いところは、人に説明する時に、「ワインエキスパートです。えっとソムリエと同じような資格です!」と言わなければならないことだろう。
しかし、最近ではワインエキスパートの知名度が上がっているし、そこまで大きな問題では無い。

それよりも危惧することは、ソムリエにこだわって転職のチャンスを逃してしまうことだ。
ソムリエの受験資格である実務経験3年は転職組にとって、かなり重い。
20代と若ければ良いが、アラサー、アラフォー、アラフィフ組に3年待てるかどうか。

今の自分の年齢に3年プラスして、それでも良いと思えるならソムリエを目指すと良い。

ソムリエになりたいのか、それともワイン業界で働きたいのか・・、しっかりと自分の気持ちを見極めよう。
時は金なり、悩む時間が勿体ない。

【マネキン】手っ取り早くワイン業界を体験する方法

とにかくワインの現場に入りたい方、勉強をしながら経験もしたい方にお勧めなのが、マネキンの仕事である。
派遣販売員(マネキン)は、ワインの資格を持っていなくてもワイン販売の仕事を体験できるので、お勧めだ。

派遣の仕事なので、面接の難易度は非常に低く、取り敢えず会社に登録をすればスーパーや百貨店の酒売り場に立てるのだ。
マネキンの世界は常に人員不足で、特にヌーヴォーや年末商戦の時期は最短でバイトが出来るだろう。

本格的に転職を考える前に、スキマ時間にワイン販売のバイトをしても良いと思う。
自分の適性も分かるし、更に職務経歴書にも書けるので一石二鳥だ。

まとめ

ワインエキスパートは一生ものの資格である。
ソムリエと比べても遜色なく、ワイン業界へ転職を考えているなら必須の資格だ。
ワインエキスパートの受験勉強で得た知識は、現場でも役立つので、頑張って取得をしよう。

管理人運営のショップ

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自分が「美味しい!」と感じたワインのみ扱っています。
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