「シャルドネってどんなブドウ?」
「どんな味?どこで造られてるの?」
「シャルドネの別名ってあるの?」
「シャルドネのおすすめワインを教えて!」
このような疑問にお答えします。
本記事の内容
- 【基本】シャルドネってどんな品種?
- 【基本】シャルドネってどんな味?
- 【概論】シャルドネについて
- 【ワインエキスパート厳選!】オススメのシャルドネワイン3選

ワイン・ライン荒野
この記事を書いている私は、ワインエキスパート、調理師の資格を取得、ワイングラスで美味しい日本酒アワードの審査員を経験。
30歳でワインのネットショップを起業。現在もワインの販売員として生計を立てています。
このような私が解説していきます。
目次
- 1 【基本】シャルドネってどんな品種?
- 2 【基本】シャルドネってどんな味?
- 3 【概論】シャルドネについて
- 3.1 シャルドネの起源
- 3.2 シャルドネのシノニム(別名)
- 3.2.1 Aubaine(オーバイン/オーベーヌ)
- 3.2.2 Auvernat(オーヴェルナ)
- 3.2.3 Orléans(オルレアン)
- 3.2.4 Auxerrois、Auxois(オーセロワ、オーソワ)
- 3.2.5 Beaunois(ビーノス/ボーノワ)
- 3.2.6 Chaudenay(ショードネ)
- 3.2.7 Gamay Blan(ガメイ・ブラン)
- 3.2.8 Clevner(クレヴネル<クレヴナー>)
- 3.2.9 Luisant(リュイザン)
- 3.2.10 Melon à Queue Rouge(ムロン・ア・クー・ルージュ)
- 3.2.11 Melon d'Arbois(ムロン・ダルボワ)
- 3.2.12 Pinot Blanc Chardonnay(ピノ・ブラン・シャルドネ)
- 3.2.13 Wais Edler、Waiser Clevner(ワイス・エドラー、ワイザー・クレヴナー)
- 3.2.14 Morillon(モリヨン)
- 3.2.15 備考
- 3.3 シャルドネの原産地と主な栽培地域
- 4 【ワインエキスパート厳選!】シャルドネのおすすめワイン3選
- 5 まとめ
【基本】シャルドネってどんな品種?

シャルドネ 江戸村のとくぞう - 投稿者自身による作品
ワインを飲まない方でも「シャルドネ Chardonnay」と言う名前は聞いたことがあるかもしれません。
缶チューハイやノンアルコールジュースの商品名にも使われていますね。それほど有名な白ブドウの品種です。
それではシャルドネについて解説します。
シャルドネは圧倒的に知名度が高い!
シャルドネは、大手会社のチューハイは勿論、ノンアルコール飲料、ビネガー、飲料酢、チョコレート、シャーベット、ゼリー等、あらゆる食品の商品名になっています。
店頭でもシャルドネとソーヴィニヨンを並べた場合、自然と売れていくのはシャルドネの方です。
シャルドネは癖がなくて飲みやすい!
シャルドネの香りや味わいを表現するテイスティング用語に「ニュートラル」と言うものがあります。強い個性や癖が無いと言う意味です。
その分、葡萄の生育環境(テロワール)や生産者の技術面をワインの味わいに反映させられます。(ソムリエ試験のテイスティングでシャルドネらしいワインに当たったら、「ニュートラル」にチェックを入れよう。)
つまり、一言にシャルドネと言っても千差万別、乱暴な言い方をするなら、どれを飲んでも「大きな外れ」は無いのです。
【基本】シャルドネってどんな味?
ワインをテイスティングする際、外観、香り、味わいを観察し、表現します。そのルールに沿ってシャルドネを表現してみます。
【テイスティング】シャルドネの外観
明るいイエロー。冷涼な産地だと淡くグリーンがかり、温暖だと濃いイエローになる。熟成が進むと褐色がかり、茶色に変化します。
【テイスティング】シャルドネの香り
シャルドネは様々なアロマを放ちます。
- ライム、レモン、グレープフルーツ等の柑橘系のアロマ
- 嗅ぐだけで酸っぱく感じるようなレモンのアロマ
- グレープフルーツの皮のような苦味を彷彿とさせるアロマ
- たっぷりと熟したパイナップルのアロマ
- チョークや火打ち石のようなミネラルを感じさせるアロマ
- バニラのような豊潤なニュアンスやヨーグルトのような乳製品のアロマ
産地や気候、醸造方法でアロマは変わりますが、基本的に柑橘系のニュアンスが多いでしょう。
【テイスティング】シャルドネの味わい
冷涼な地域のシャルドネはフレッシュで鋭利な酸味を感じますが、基本的に酸は丸みを帯び、ふくよかな果実味を感じる辛口の味わいになります。果実味に富むカジュアルタイプ、複雑で高級感のあるタイプ等、産地や生産者により味わいに幅があります。
【概論】シャルドネについて
何となく撫でる程度の知識なら、シャルドネの基本は上に述べた通りです。ここからは専門的な分野に切り込んでいきます。
シャルドネの起源
シャルドネはピノ・ブランと混同されてきた歴史を持ちますが、最新のDNA系統解析により、ガメイ、ムロン、アリゴテ等の品種と同様、ピノ種×グエ・ブランの自然交配品種であることが判明しました。これによりガメイ・ブランやムロン・ダルボワと呼ばれる理由が分かりますし、1583年の記述でアリゴテとシャルドネが混同されていたことにも説明が付きます。
シャルドネのシノニム(別名)
葡萄の別名を「シノニム」と言います。国や地域によって当然名前が変わります。シャルドネには沢山のシノニムが存在します。読み方は翻訳によって変わります。
Aubaine(オーバイン/オーベーヌ)
ソーヌ・エ・ロワール県(県庁所在地マコン。2000年4月7日より、日本の山梨県と姉妹締結)のシノニム。
Auvernat(オーヴェルナ)
オーヴェルニュ地域圏のシノニム。(2016年1月1日にローヌ=アルプ地域圏と統合し、オーヴェルニュ=ローヌ=アルプ地域圏となった<フランスの中央高地に相当>)
Orléans(オルレアン)
トゥーレーヌ地区A.O.C.オルレアンでは、シャルドネ主体(60%以上)の白ワインが造られている。
Auxerrois、Auxois(オーセロワ、オーソワ)
モゼル県(フランス北東部,ロレーヌ地域の県)。オーセロワと呼ばれる白葡萄が別に存在し、更にマルベックのシノニムでもある為、紛らわしい。
Beaunois(ビーノス/ボーノワ)
ヨンヌ県のシャブリでは、現地の方言でシャルドネをボーノワ(ボーヌから来たという意)と呼ぶ。諸説あるが、1583年にはそのような記述が見られる。
Chaudenay(ショードネ)
地名でもあるが、トゥーレーヌ地区でのシノニム。
Gamay Blan(ガメイ・ブラン)
シャルドネはピノとグエ・ブランの自然交配品種であり、ガメイと姉妹品種である為、ジュラではガメイ・ブランと呼ばれる。
Clevner(クレヴネル<クレヴナー>)
ジュラ県、またはドイツで呼ばれていた。現在ではピノ・グリのシノニムであるルーレンダーと混同されていた時期もある。
Luisant(リュイザン)
フランシュ=コンテ地域圏のシノニム。ジュラ県等を含む。(2016年1月1日にブルゴーニュ地域圏とフランシュ=コンテ地域圏が統合してブルゴーニュ=フランシュ=コンテ地域圏<BFC>となった)
Melon à Queue Rouge(ムロン・ア・クー・ルージュ)
ジュラ県のアルボワで発見されたシャルドネの変異種。赤い茎を持つ。アルボワ特有の貴重な品種である。
Melon d'Arbois(ムロン・ダルボワ)
ジュラ県A.O.C.アルボワでは、ムロン・ダルボワ(シャルドネ)とサヴァニャンを主要品種とした白ワインが造られている。ジュラでは10世紀にはシャルドネが栽培されており、現在でも耕作面積の50%を占める。
Pinot Blanc Chardonnay(ピノ・ブラン・シャルドネ)
19世紀の終わりまで、フランスではピノ・ブラン・シャルドネ(シャルドネ・ピノ・ブラン)と呼ばれていた。
Wais Edler、Waiser Clevner(ワイス・エドラー、ワイザー・クレヴナー)
モルドバ共和国。最重要品種だが、輸出されることは少ない。 ※データ少、諸説あり。
Morillon(モリヨン)
オーストリア南部シュタイアーマルク州ではモリヨンと呼ばれ栽培されている。
備考
このようにシャルドネのシノニムは数多くありますが、現在の呼び名が広まったのは20世紀になってからです。20世紀後半、ヴァラエタル・ワインが流行り、産地名ではなく品種名がエチケット(ラベル)に表示されるようになり、一気に知名度が上がりました。「白ワイン=シャルドネ」のイメージはこの頃から広まり、上に述べた「シャルドネは知名度が高い」と言う個人の見解の元となっています。
尚、シノニムについてはデータが少ないので、今後も研究し、加筆修正していきます。
シャルドネの原産地と主な栽培地域
ここからはシャルドネの生産地について解説していきます。
シャルドネの原産地
シャルドネはソーヌ・エ・ロワール県が原産地とされています。マコンを県庁所在地としているブルゴーニュワインの生産県の一つ。特に意外性も無く正にイメージ通りと言えます。
シャルドネと言えばブルゴーニュ。このイメージは生半可なことでは覆せないのです。
フランスのシャルドネ
早熟で豊産性のシャルドネは栽培が容易で、様々な国で生産されていますが、やはりフランスのシャルドネは他国とは一線を画します。
【ブルゴーニュ】え?牡蠣の土壌!?辛口のシャブリ
シャブリと言えば辛口白ワインの筆頭株。ブルゴーニュ地方よりは更に北部のシャンパーニュ地方に近いです。フィロキセラ(世界中を襲った葡萄の害虫)や鉄道開発に追われ、一時は貧しい農業地域となりましたが、20世紀後半になりその名声を取り戻します。
キンメリジャンと呼ばれる先史時代の牡蠣殻で構成された地層が、シャブリを唯一無二の存在にしています。この土壌(テロワール)の影響で、鉱石や、日本風に例えるなら日本刀を彷彿とさせる凝縮感のあるミネラリーなワインとなります。抜群の切れ味だけでなく、力強い骨格、長い余韻を伴い、一級品のシャブリからは磯や海苔のような「海のニュアンス」が透けて見えます。シャブリは余所で再現できない芸術です。
【ブルゴーニュ】世界最上のシャルドネ!モンラッシェ
ムルソー南部に隣接するピュリニィ・モンラッシェ村とシャサーニュ・モンラッシェ村からは他国では真似できない最上のシャルドネを産する。正にブルゴーニュ白ワインの心臓部と言えます。
特級畑(グラン・クリュ)のモンラッシェは、二つの村にまたがっており、長期熟成させることにより、真価を発揮する逸品です。10年以上寝かせると、黄金色に輝き、芳醇で複雑なアロマを解き放つ。
シャルドネの要素を凝縮させており、非常に余韻が長くなります。度々、飲む者を驚愕させますが、余裕で家賃を出せる金額の為、中々飲めない。残念!!
【ブルゴーニュ】無冠の帝王!一級品を生み出すムルソー
一級畑のみで特級畑は存在しませんが、優れたムルソーはピュリニィの一級畑を脅かしかねない品質です。アロマの中に見付けられるナッツのように香ばしいニュアンス、口いっぱいに広がるふくよかな果実味は親しみやすく、栽培面積の広いムルソーワインの平均点を上げています。高地の方のムルソーは、一級畑ではないものの、エレガントでメリハリのある良いワインを産出し、そのワインは熟成に耐えることが出来ます。
私のような庶民でも手の出しやすい価格の為、記念日やワイン会で重宝されるます。
【ブルゴーニュ】モンラッシェに匹敵する!?コルトン・シャルルマーニュ
上に挙げたピュリニィ・モンラッシェとムルソーは近接していますが、コルトン・シャルルマーニュはポツンと独立しています。赤ワインの聖地に囲まれる中で偉大な白ワインが造られているのは興味深いですね。
一言にコルトン・シャルルマーニュと言っても、その畑は三つの村にまたがっており、特徴が異なります。
アロース・コルトン◆コルトン・シャルルマーニュ
アロース・コルトン村に接する部分は、南向きの斜面で、豊かな果実味とフィネスを感じ、長期熟成に耐えうるポテンシャルを秘める。
ペルナン・ヴェルジュレス◆コルトン・シャルルマーニュ
こちらは、優れたテロワールに囲まれているが、西、北向きの畑は日照量が少ない年は不利に働く。グレートヴィンテージだと、溌剌としたエレガントな味わいになる。
ラドワ・セリニー◆コルトン・シャルルマーニュ
ペルナン同様、北向きに近い斜面は葡萄に望ましくないが、恵まれた年だとミネラル分とコクを備えた良いワインとなる。
現在は温暖化により、3区画の差は一昔前ほどは無くなっています。
【ブルゴーニュ】ブルゴーニュ入門編に最適!マコン
ボージョレ地区を除けば、ブルゴーニュ最南端。白はシャルドネ、ロゼ、赤はピノ・ノワールとガメイから造られます。「マコン」と「マコン・ヴィラージュ」が存在するが、輸入される殆どのワインは後者を名乗ります。新酒として、「プリムール」や「ヌーヴォー」をエチケットに表記できます。
マコンの価格はブルゴーニュとしては安価で、フルーティーで飲みやすいものが多く、ブルゴーニュ入門編に最適です。
フランスの他地域
シャンパーニュではシャルドネは唯一の白葡萄です。シャルドネのみで造られるシャンパンを「ブラン・ド・ブラン」と呼びます。
ラングドック・ルーションではカジュアルな白ワインとしてシャルドネが用いられます。また、「ブランケッド・ド・リムー」と呼ばれるスパークリングワインが造られています。
ロワールでもフレッシュな白ワイン、良質なものはシャンパンに匹敵するスパークリングワイン、「クレマン・ド・ロワール」が造られています。
【ワインエキスパート厳選!】シャルドネのおすすめワイン3選
それでは、安定のシャルドネから紹介していきます。
【安くて美味しい!酸化防止剤無添加】キュヴェ セクレテ シャルドネ(SO2無添加)
低価格ながら、高品質なオーガニック・シャルドネです。
清涼感と完熟感があり、爽やかな辛口に仕上がっています。
酸化防止剤無添加なので、早めに飲みましょう。
【正統派のブルゴーニュ!教科書のようなシャルドネ】ルイ・ジャド マコン・ヴィラージュ グランジュ・マニアン
シャルドネ入門編にお勧め。大手ワイナリーの正統派の味わいです。
柑橘系のアロマにミネラル感のあるボディ、ブルゴーニュらしい辛口です。
予算を出せるなら、是非飲んでみて下さい。
【華やかでコクがある!ワイン大国チリの逸品】コノスル・20バレル・リミテッド・エディション シャルドネ
チリの良いところはヨーロッパより、コスパが高いことです。
その安旨ワイン大国の2,000円以上のシャルドネは、ヨーロッパ産の5,000円に匹敵する可能性もあります。
ジューシーでコクのあるシャルドネをお試し下さい。
まとめ
今回は主にフランスのシャルドネについて解説しました。
それでは、楽しいワインライフを!
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