ワイン・ラインのワイン

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ワイン学

ワインってどんなお酒?どうやって選ぶの?超初心者でも分かる最低限の基本解説

2021年6月8日

ワイン用の黒葡萄・葡萄畑

ワイン用葡萄

そもそもワインとは、どのような酒だろうか。最初に結論を言ってしまうと、葡萄から造られる酒である。それ以上でも以下でもない。
しかし、その程度の知識なら、飲酒が認められていない小学生でも答えられるだろうから、ここではもう少々踏み込んで詳細に語ろう。

目次

ワインってどのようなお酒?

ここから、ワインの基本を解説していく。

酒税法とワインの分類

ワイン・ビール・乾杯

ワインとビール

日本の酒税法(酒に関する法律)では、ワインは葡萄果汁を原料とした醸造酒に分類されている。これは冒頭にも述べた。
「醸造酒って何?」と思われる方に、分かりやすい例えを出すと、醸造酒はワインや日本酒、第三のビール等を指し、蒸留酒はブランデーやウィスキー、焼酎等の濃い酒を指すが、メインテーマではないので、ここでは割愛する。ワインは葡萄の醸造酒だと覚えておけば良い。

さて、こうなると、「観光地で売っている苺ワインや柚子ワイン、梅酒は、原料が葡萄ではないからワインではないの?」と疑問に思う方もいるだろう。
一般的に、葡萄以外の果実を使ったワインは、フルーツワインと呼ばれているが、酒税法でその定義は無い。フルーツワインは甘味果実酒やリキュールを含む混成酒類に分類され、我々がイメージする葡萄のワインとは異なる。

ワインの分類

ワインは醸造方法によって、スティル・ワイン、スパークリングワイン、フォーティファイド・ワイン、フレーヴァード・ワインに分類される。

スティル・ワイン
ワイン・ラインのワイン6本

スティル・ワイン6本 by ワイン・ライン

皆さんが思い浮かべているワインは、大抵スティル・ワインを指す。シュワシュワと発泡していない普通のワインだ。
赤ワイン、白ワイン、ロゼワイン、オレンジワイン(オレンジのワインではない)等があり、味わいも辛口から甘口まで多様である。

メモ

因みにレストランやショップで「スティル・ワインください!(ドヤ顔)」と言うと、恥ずかしいのでやめよう。「あ、面倒な客だ」と思われてしまう。

スパークリングワイン
スパークリングワインと苺

スパークリングワイン・ロゼ 画像提供:Vratsagirl

発泡性のワインを指す。フランスの「シャンパン」やスペインの「カバ」等が有名だ。スーパーやコンビニの酒売場に行けば何種類か冷えているだろう。
発泡が弱いものは弱発泡性ワイン、または微発泡性ワインと呼ばれ、ワイン初心者にも飲みやすい爽やかなものが多い。ガタオと呼ばれる猫のラベル(エチケット)の微発泡性ワインは飲みやすいのでオススメだ。

メモ

ドラマや漫画で有名なドンペリはスパークリングに分類される。

フォーティファイド・ワイン
シェリーワイン

シェリー 画像提供:Volker Schoen

ワインの醸造中に、ブランデーやアルコールを添加して、アルコール濃度を高めて、味わいにコクを持たせたタイプ。通常のワインと比べて日持ちする。
シェリー、ポートワイン、マディラ、マルサラ等があり、甘口のものも多い。アイスクリームにかけたり、料理のソースにも使われる。

フレーヴァード・ワイン
サングリア

冷えているサングリア 画像提供:Ruth Archer

ワインに、ハーブや果実、甘味料等を加えたタイプ。サングリアが有名である。

メモ

フォーティファイド、フレーヴァードは混成酒類に分類される。

ワインってどうやって造られるの?

さて、ワインの原料や種類が分かったところで、葡萄の果汁がどのようにお酒になるのか学んでいこう。

アルコール発酵によって葡萄ジュースからワインになる

アルコール発酵により、ただの葡萄ジュースからワインへと劇的に変化する。酵母が葡萄に含まれる糖分を食べて、アルコールと炭酸ガス(二酸化炭素)に分解するのだ。
醸造工程に関しては他にも多々あるが、別の記事で解説するとして、今は取り敢えずこのシステムによってワイン(お酒)になることを押さえておけば問題ない。

赤ワインの造り方
赤ワイン

赤ワインとボトル 画像提供:congerdesign

赤ワインは何故赤いのか。それは黒葡萄(スーパーで見かける紫色の葡萄をイメージして欲しい)の果肉を皮や種子ごと潰し、それらの混合物と果汁を漬け込むことにより赤い色が付くのである
これにより色と味が濃くなり、タンニン(渋味)をしっかりと感じるワインとなるのだ。種をかじると苦い、それがワインの苦味の正体である。

メモ

赤ワインにおいて、フルボディやミディアムボディと言った味の違いは、タンニンの含有量に起因する。

白ワインの造り方
白ワイン

冷えている白ワイン 画像提供:Ben Kerckx

赤ワインとは異なり、白ワインは白葡萄(マスカット等をイメージして欲しい)を圧搾した果汁を原料として用いる。赤ワインのように皮や種子を漬け込み発酵させるのではなく、果汁のみを使用しているのがポイントだ。これにより渋味を感じず、フレッシュでフルーティーな味わいになる。
極論、黒葡萄を用いても、皮ごと漬け込まず果汁を使えば、ワインに濃い色は付かない。

ロゼ(ピンク色)ワインの造り方
ロゼワイン(スパークリング)

ロゼワイン(スパークリング) 画像提供:Karin Romdahl

上の極論を応用するとロゼワインになる。白ワインの醸造方法で、黒葡萄の「果汁のみ」を用いるのだが、葡萄の圧搾時に若干のピンク色が付くのだ。
また、通常の赤ワインの醸造方法で、皮や種子ごと漬け込む時間を短くすることにより、ロゼにする方法もある。
黒葡萄と白葡萄を混ぜたり、赤ワインと白ワインを混ぜる方法もあるが、それを禁じている国もある。

オレンジワインの造り方
オレンジワイン

ルーマニアのオレンジワイン

上でも述べたがオレンジのワインではなく、白葡萄を果皮や種ごと漬け込んで造られるワインで、通常の白ワインよりは濃い色合いのオレンジ色に見えるワインの総称である。
白葡萄を使い、赤ワインのようにして造るワインと理解しておけば良いだろう。味わいは、赤ワインほどではないが、白ワインよりはタンニン(苦味)を感じる。アールグレー、ダージリンのような紅茶のニュアンスを感じることもある。

メモ

今、オレンジワインはブームである。ジョージアが有名だが、他にもイタリアや勿論、日本でも造られている。

スパークリングワインってどうやって造られるの?

ここまで読んで、察しの良い方なら分かると思うが、アルコール発酵の際に造られる炭酸ガスがキーポイントである。
スパークリングワインの醸造方法は複数あるので、中でも重要なものを解説していく。

トラディショナル方式(瓶内二次発酵)

ワインを瓶に詰め、アルコール発酵に必要な糖分と酵母を加えて密封させ、瓶の中で二次発酵を起こす。その際に炭酸ガスが発生するのでスパークリングとなる。
一本一本処理をするので手間も時間もかかるが、瓶の中で発酵するため、味わいに凝縮感とコクが出る。
レストランやショップで「瓶内二次のスパークリングください」と言うのは大丈夫だ。大抵、シャンパンかカバを勧められるだろう。下に代表的なトラディショナル方式のワインを記す。

こだわりの高級スパークリング!シャンパン(シャンパーニュ)
モエ・エ・シャンドン(シャンパン)

モエ・エ・シャンドン(シャンパン) 画像提供:Werner Weisser

ワインに詳しくない方でも知っているであろう高級スパークリングワイン、庶民が憧れるシャンパン。トラディショナル方式は別名シャンパーニュ方式とも呼ばれる。
モエ・エ・シャンドン(モエシャン)やドンペリが有名だ。一般的に高級品だが、最近は安価のシャンパンも売られている。

メモ

恋人や上司へのギフトで迷っていたら、取り敢えずシャンパンを贈っておけば問題ない。

安くて美味しい!コスパ最高のカバ!
カバ by ワイン・ライン

スペインのスパークリングワイン カバ

高級品になりがちなトラディショナル方式だが、スペイン産のカバは財布に優しい価格で売られている。
「シャンパンと同じ造り方で、安いんです」と言う文言は、業界内では誰もが使うセオリーである。エチケットにCAVAと表記してあるので、すぐに分かるはずだ。

メモ

普段飲みやワイン会でスパークリングを飲みたければ、カバを選ぶのが無難である。

シャルマ方式

トラディショナル方式とは異なり、大きなタンクで二次発酵を起こし、短期間で大量に造られる。
瓶内二次発酵に劣っているわけではなく、この方法はワインが空気と接触しないので、葡萄のアロマが残りやすいのがメリットだ。
カジュアルでフルーティーなスパークリングワインを造るのに適している。下記のアスティはシャルマ方式の代表的なスパークリングだ。

マスカットのアロマでチャーミングな甘口♪アスティ・スプマンテ
アスティ・スプマンテ by ワイン・ライン

イタリアのスパークリングワイン アスティ・スプマンテ

北イタリアで、マスカット(モスカート)を原料にして造られる甘口のスパークリングワインだ。食前酒、食中酒、もしくはデザートワインでも活躍するだろう。
店に行き、「アスティください」と言えば、大抵置いてある。天使のラベル(エチケット)のアスティは大変有名である。「天使のワインありますか」と聞かれることも多い。

メモ

ワインを飲み慣れていない恋人に贈るワインの定番。バレンタインでもホワイトデーでも大活躍するワインである。大学生がプレゼントを探していたら、取り敢えずアスティを勧めることが多い。

その他の方式

他にもトランスファー、アンセストラル、炭酸ガス注入方式等が存在するが、重要なのは上に述べた二つである。

ワインってどうやって選ぶの?

ワイン・ラインのワイン

ワイン・ラインの試飲用ワイン

ここまで読めば、ワインの基本は大まかに理解できたと思うので、ここから生産国の特徴を解説していく。

フランス

エッフェル塔

フランス エッフェル塔 画像提供:Pete Linforth

言わずと知れたワイン大国。ワインと聞いて真っ先にフランスを思い浮かべる人も多いだろう。
一昔前だと、フランスワインは値段と味のバランスがシビアだと言われていたが、最近では南仏(南フランス)を中心にコスパの良いワインも増えている。

世界で有数の偉大な産地!赤ワインのボルドー

ボルワインワイン

ボルドーのワイン 画像提供:jacqueline macou

ボルドーは、フランスで1、2位を争う人気の生産地である。少々粗い例えとなるが「シャトー○○」と名乗るワインは、ボルドー産であることが多い。
圧倒的に赤ワインが有名だが、辛口の白ワインやデザートワインも産出している。カベルネやメルロー等、複数の葡萄品種をブレンド(アッサンブラージュ)してワインを造ることが特徴だ。

メモ

価格は1,000円台~数十万円まで幅広いが、安価のボルドーは品質がイマイチなので、安くても2,000円付近の価格帯が妥当。 お手軽なギフトで迷っていたら、3,000円以上のボルドーを選んでおけば問題ないだろう。

ボルドーと並んで大人気!通向けのブルゴーニュ!

ブルゴーニュ・シャンベルタン

ブルゴーニュ シャルム・シャンベルタン

ブルゴーニュはボルドーと並んで人気のある産地である。ボルドーはブレンド主体だが、ブルゴーニュはブレンドをしない単一品種で造られることが多い。
白ワインはシャルドネやアリゴテ、赤ワインはピノ・ノワールやガメイを用いるが、他の産地と比べると価格が高く、高いもの(ロマネ・コンティ等)だと100万円以上することもある。

メモ

1,000円台のブルゴーニュも存在するが、白はともかく赤は酸っぱくて薄いことが多いのでお勧めしない。 ギフトで迷っていたら、4,000円以上のブルゴーニュを選べば喜ばれるだろう。

初心者にオススメ!安くて美味しいラングドック・ルーション

ペイドック・ピノノワール

ペイドック ピノノワール

さて、上の二大産地は重要なので挙げたが、安くて美味しいフランスワインを探すなら、南仏(ラングドック・ルーション)が大本命となる。
安くて美味しいワインと言えばチリが有名だが、チリに匹敵するコスパのワインも多数存在するのだ。ワインの種類が多く品質もピンからキリまで多種多様だが、中には驚くほど美味しいワインも存在する。
エチケット(ラベル)に、「I.G.P.」や「ヴァン・ド・ペイ」、「ペイ・ドック」と表記されているものを探そう。その表記は一定の品質が保証されている証である。

メモ

店の人に「オススメの南仏ワインください」と聞くと、その勧められたワインは大抵「I.G.P.ペイ・ドック」だと思うので、分からなければ聞いた方が早いだろう。 「ジャン・クロード・マス」「シャプティエ」と言う生産者のワインはコンビニやスーパーにも置かれている。安くて美味しいワインだ。

フランスのその他の産地

他にも魅力的な産地は多々あるが、これはワイン入門編の記事なので、ここでは省略する。

イタリア

ヴェネツィア

イタリア ヴェネツィア 画像提供:Gerhard Bögner

フランスに並ぶワイン大国だが、その性格は大きく異なる。ワイン造りの歴史はフランスよりも古く、長靴のように南北に長く延びた地形は様々な個性のワインを生み出す。
全州でワインが造られており、気候、土壌、品種も多種多様、それでいて果実味に富んでいて飲みやすいタイプが多い。フランスワインより、初心者向けと言えるだろう。

フルーティーで飲みやすいワインの宝庫!シチリア州

シチリアの白ワイン

シチリアの白ワイン グリッロ・ヴィオニエ

いきなり最南端のシチリア州を挙げてしまったが、赤ワイン、白ワイン共に飲みやすいタイプが多いのだ。シチリアのカジュアルでフルーティーなワインはランチ、ディナーで大活躍する。

メモ

スーパーではシチリアの安価なオーガニックワインをよく見かけるし、スクリューキャップのものも多いので、敷居が低いはずだ。間違いなくお勧めである。

日常飲みから高級ワインまで幅広い!ピエモンテ州

白ワイン・ガヴィ

イタリアの白ワイン ガヴィ

フランスに隣接する北部に位置するピエモンテ州は、高いものは高いが、カジュアルで飲みやすいスパークリングワインや白ワインを産出する優れた産地である。
スパークリングワインの項目でも触れた甘口の「アスティ」や、フルーティーで高品質な白ワイン「ガヴィ」、ギフトに最適なフルボディの「バローロ」等、様々なワインが存在する。

メモ

甘口ワインからスタートする方は多いので、取り敢えず「アスティ・スプマンテ」をセレクトし、マスカット風味の爽やかな泡を楽しむのも良いだろう。

安旨スパークリングや赤ワイン!ヴェネト州・アブルッツォ州

モンテプルチアーノダブルッツォ

イタリアの赤ワイン モンテプルチアーノダブルッツォ

沢山産地を挙げても混乱されると思うので、ピンポイントにお勧めワインを紹介しよう。
ヴェネト州のカジュアルなスパークリングワイン「プロセッコ」とアブルッツォ州の偉大な安旨赤ワイン「モンテプルチアーノダブルッツォ」である。

メモ

フルーティーな辛口のプロセッコ、ミディアムボディのモンテプルチアーノダブルッツォは、簡単に入手できるし、大抵のレストランに置いてあるはずだ。

イタリアのその他の産地

その他にもトスカーナ州やプーリア州等、魅力的な産地は数えきれないほど存在するが、これらはイタリアがメインテーマの記事で詳細に扱いたい。

最強の安旨ワイン大国!!チリ

チリ(アタカマ砂漠)

チリ(アタカマ砂漠) 画像提供:grebmot

チリワインは安くて美味しい。気候にも恵まれ、高品質なワインを産出する。その環境は他のワイン生産国が羨むほどだ。赤、白、スパークリング、カジュアルワインから高級ワインまで満遍なく美味しい。
「3Wの国」と呼ばれ、素晴らしい気候(weather)、美人な女性(woman)、美味しいワイン(wine)が揃っていると言う、何て羨ましいことだろう。・・脱線したが、チリのワインは初心者向けだと言える。

コノスル・クールレッド

チリの赤ワイン コノスル・クールレッド(ピノノワール)

メモ

コノスルと言うメーカーの自転車マークのエチケット(ラベル)のワインがお勧めだ。「コノスルのピノノワール」か「コノスルのリースリング」を飲んでみて欲しい。

その他の生産国(スペインやアメリカ等)

フランス、イタリア、チリ以外にも、スペイン、アメリカ、オーストラリア、ニュージーランド、アルゼンチン、そして日本等、優れた生産国は多数あるが、上に挙げた三大ワイン大国を差し置いてまで初心者向けに選定する意味があるかは疑問である。

まとめ

ワインボトル by ワイン・ライン

ワイン・ラインのワインボトル

今回は最低限のワインの基本について解説した。

ポイント

  • ワインは葡萄を原料とした醸造酒である。
  • アルコール発酵によって果汁からワインになる。
  • 南仏、イタリア、チリワインは安くて飲みやすい。
  • スパークリングなら、シャンパン、カバ、プロセッコを飲んでみよう。

重要なポイントは以上である。
飲食店視点、ショップ視点、愛好家視点で、ワインの捉え方は変わってくるので、あくまで一例として参考にしていただきたい。

  • この記事を書いた人
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ワイン・ライン 荒野

【ワインは学問であり芸術である】がモットー!ワイン・ライン代表。本業と副業で、ワインショップや酒売場の勤務経験が10年突破しました。ワインエキスパートと調理師の資格所持。ワイングラス日本酒アワード審査員。帰国子女。宜しくお願いします。 ▶プロフィール・お問い合わせ

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