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ブドウの解説 白ブドウ

【ブドウ品種概論】リースリングの特徴やおすすめワイン!ワインエキスパートが解説!

2022年8月14日

「リースリングってどんなブドウ品種?」
「リースリングの味や合う料理は?」
「リースリングのおすすめワインを知りたい!」

このような疑問にお答えします。

本記事の内容

  • 【徹底解説】リースリングの起源や特徴まで幅広く
  • 【料理とのペアリング】リースリングと合う料理
  • 【ワインエキスパート厳選!】リースリングのおすすめワイン3選
ワイン・ライン管理人

ワイン・ライン荒野

この記事を書いている私は、ワインエキスパートと調理師の資格を取得、30歳でワインのネットショップを起業。

現在もワインの販売員として売り場に立っており、ついにワイン歴15年を突破しました。

ワインは難しくありません!今から丁寧に解説します。

 

【ブドウ品種の基本】リースリングってどんな品種?

リースリングはドイツやフランスのアルザスで有名なワイン用ブドウ品種です。
甘口から辛口まで幅広く、カジュアルスタイルから、天文学的な価格のワインまであります。
偉大なリースリングは非常に長期間の熟成に耐え、他のブドウとは一線を画す気品を醸し出します。

何よりも特徴的なのはペトロール香ですが、それはこれから解説していきます。

 

【ブドウ品種の基本】リースリングってどんな味?

白ワイン

冷えている白ワイン

それでは、テイスティングの基本に則って解説します。

テイスティングは、ワインの「外観」、「香り」、「味わい」に分けて分析します。

外観

「淡いグリーンイエロー」から「明るいイエロー」まで幅広いです。

基本的に、冷涼な産地だと緑、温暖だと濃いイエローになります。

香り

ペトロールと呼ばれるインクのような香りが特徴的です。
独特な香りですが、リースリングに高貴なイメージを与えています。

  • ペトロール
  • 青リンゴ
  • レモンやライム
  • 白い花や黄色い花
  • ホワイトペッパー
  • 火打ち石
  • ハチミツ

リースリングは甘口から辛口まで幅広いので、香りも多様です。
フローラルで魅惑的なアロマを放ちます。

味わい

リースリングで特徴的なのは、豊かな酸味と凜としたミネラル感です。
カジュアルで甘酸っぱいタイプは初心者向きですし、塩味を感じるキリッとしたタイプは上級者を飽きさせません。
リースリングには甘いイメージがありますが、最近(・・と言っても10年くらい)はドライなタイプが増えています。

しかし、私はリースリングの真価は甘口にあると考えています。
熟成が進んだ極上の甘口リースリングは一度飲んだら忘れられないでしょう。

 

【ブドウ品種概論】リースリングについてワインエキスパートが徹底解説

基本的な情報は以上ですが、もう少々深掘りしていきましょう。

リースリング(RIESLING)の起源

リースリングは、ドイツのラインガウが発祥の地とされています。
アルザスに似たような品種の記述が見付かっていますが、ドイツにリースリングに関する資料が沢山見付かっていることから、ドイツ発祥と思って良いでしょう。

やはりドイツ=リースリングのイメージを覆すことは難しいですね。

リースリングの栽培

リースリングは樹が堅く、非常に寒さに強いブドウです。
芽を出す時期が遅いので、春の霜から逃れることが出来ます。
ワインのタイプによっては、遅摘みにすることもあります。

リースリングの産地

それでは、産地別に解説していきます。

【ドイツ】

リースリングの故郷です。
ドイツの全てのワイン生産地域で栽培されています。
晩熟のリースリングには日射量が重要であり、ブドウの成熟には日当たりのよいスレート状の斜面からの日光の再反射や、川からの反射も必要となります。

過去には甘さ(補糖)でワインの品質を誤魔化していた時期もありますが、消費者の辛口嗜好への変化や、温暖化でブドウ栽培のハードルが下がったこともあり、辛口ワインの品質が向上しています。

モーゼル

冷涼なモーゼルで造られたリースリングは、偉大で個性的なワインとなります。

ラインガウ

ハチミツのニュアンスを感じるしっかりとしたボディを感じます。

ナーエ

柑橘系のアロマで、豊かな酸味を感じるタイプです。

ラインヘッセン

広大な地域で様々なタイプが造られています。
完熟感のあるワインから、若手生産者の野心的なワインまで幅広いです。

ファルツ

豊満でハチミツやドライフルーツのニュアンスを感じるフルボディです。

その他の地域

別品種や赤ワインがメインの産地もありますが、リースリングも造っています。

【フランス】

フランスではアルザスが有名です。

アルザス

リースリングはアルザスの複雑なテロワールを見事に表現します。
辛口が多く、ドイツのリースリングより陽気な雰囲気、味わいはフルボディになります。

ラングドック・ルーション(南仏)

南仏でもリーズナブルで高品質なリースリングが生産されています。

【イタリア】

北イタリアで栽培されています。リースリングが冷涼な気候を好むためです。

イタリアではリースリング・イタリコ(RIESLING ITALICO)、別名グラシェヴィーナ(GRASEVINA)の方が重要です。
この品種はアリゴテ(ALIGOTE)に似ており、リースリングとは関係ありません。

【スペイン】

生産量は少なく、カタルーニャ州やラマンチャ州で見られますが、業界でもあまり重要ではありません。

【オーストリア】

この国では圧倒的にグリューナー・フェルトリーナー(GRUNER VELTLINER)が有名で、リースリングはその2番手です。
ドイツのリースリングよりもフルボディ、アルザスのリースリングよりもスパイシーでミネラリーになります。

【アメリカ】

アメリカはリースリングに強い関心を持つ国です。

カリフォルニア州

ナパでは著名なメーカーが、高品質で長期熟成に耐えるワインを造っています。

オレゴン州

比較的冷涼なオレゴンでは、昔から安定したリースリングを造っています。

ワシントン州

リースリングで大きな成功を収めた州です。
ドイツ・モーゼルの生産者と協力し、品質を向上させています。
華やかでジューシー、キレのあるワインが造られており、品評会でも高評価を得ています。

ニューヨーク州

リースリングの長い伝統があり、その品質はワールドクラスです。

【カナダ】

オンタリオ州で重要な品種です。優れた辛口や、アイスワインも造られています。

【チリ】

南の冷涼なビオビオバレーで、コノスル社の高品質なリースリングが栽培されています。
同リースリングは華やかでありながら清涼感があり、しっかりと凝縮した果実味を味わえます。

【オーストラリア】

歴史的にリースリングはオーストラリアにとって重要な品種です。
19世紀に移民がバロッサ・バレーに持ち込みましたが、比較的冷涼なクレア・バレーやエデン・バレーで成功しました。

ドイツよりも温暖で乾燥しているため、優れたリースリングが造られています。
辛口から極甘口まで幅広いタイプのワインがあります。

【ニュージーランド】

ソーヴィニヨン・ブランで有名な国ですが、アロアマティックな品種に取り組み始めており、リースリングにも注力しています。
華やかで濃い味わいから甘口まで造られています。

【その他の地域】

南アフリカや、中国、ウイグル自治区、日本でも生産されています。

リースリングのシノニム(別名)

  • <トルコ>ベヤズ・リースリング(BEYAZ RIESLING)
  • <アメリカ>ヨハニスベルク(JOHANNISBERG)
  • <アメリカ>ヴァイサー・リースリング(WEISSER RIESLING)
  • <アメリカ>ホワイト・リースリング(WHITE RIESLING)
  • <ドイツ/バーデン>クライン・リースリング(KLEINRIESLING)
  • <ドイツ/バーデン>クリンゲルベルガー(KLINGELBERGER)
  • <ドイツ>ライン・リースリング(RHINE RIESLING)
  • <フランス/アルザス>リースリング・レナン(RIESLING RHENAN)
  • <イタリア>リースリング・レナーノ(RIESLING RENANO)
  • <チェコ>リプカ(LIPKA)

 

【料理とのペアリング】リースリングと合う料理

辛口のリースリングには、白身魚牡蠣寿司フライムニエルと合います。
中間的なフルーティーなリースリングにはカレータイ料理などのエスニック系
また、甘口のデザートワインはチョコレートやフルーツが合うでしょう。

 

【ワインエキスパート厳選!】リースリングのおすすめワイン3選

ワイン・ライン管理人

ワイン・ライン荒野

今回はお料理とも合わせやすい辛口を紹介します。

【春に湖になる畑!?ミネラルたっぷりの辛口】ドメーヌ・フェランディエール リースリング

南仏で美味しいカジュアルワインを造るメーカーのリースリングです。そのコスパはチリを超えるかもしれません。
果実味に富んだ味わいで、特殊な畑の個性由来のミネラル感も楽しめる脅威の安旨リースリングです。
ペトロールよりは柑橘系のアロマです。ワイン初心者から上級者まで楽しめるでしょう。

 

【少量生産のオーガニック・リースリング!】ドメーヌ・ストフラー リースリング トラディション

フランス、アルザス地方のオーガニック・リースリングです。
少量生産で、高品質です。華やかな柑橘系のアロマに石灰(ミネラル感)のようなニュアンスが溶け込んでいます。
気高く、それでいて陽気なリースリングです。

 

【辛口好き必見!溢れるミネラル感で料理との相性も抜群】ゲオルグ・ブロイヤー リースリング トロッケン ソヴァージュ

リースリングと言えばドイツが有名です。南仏やアルザスとは全く異なるワインに仕上がっています。
豊かなペトロールと、口に含んで広がるミネラル感は他国の追随を許しません。
飲み干した後、口中に残る辛口の余韻に、価格以上の満足感を得るでしょう。

 

まとめ

リースリングは、辛口から甘口まで幅広いタイプがあります。

ドイツやアルザスが有名ですが、様々な国で造られており、どのワインもアロマティックで女性的な印象です。

それでは、楽しいワインライフを!

 

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「WINE LINE」は無資格状態からワイン業界に転職し現場で揉まれ、ワインエキスパートを取得して最終的に独立まで果たした管理人の雑記ブログです。本業と副業で、ワインショップや酒売場の勤務経験が15年突破しました。ひたすら現場主義!ワインエキスパートと調理師の資格所持。ワイングラス日本酒アワード審査員。宜しくお願いします。 ▶プロフィール・お問い合わせ

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