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ブドウの解説 白ブドウ

【ブドウ品種概論】ソーヴィニヨン・ブランをワインエキスパートが徹底解説!

2022年8月8日

「ソーヴィニヨン・ブランの特徴は?」
「シャルドネとの味の違いは?」
「合う料理やおすすめワインを知りたい」

このような疑問にお答えします。

本記事の内容

  • 【ブドウ品種の基本】ソーヴィニヨン・ブランの特徴
  • 【ブドウ品種概論】ソーヴィニヨン・ブランをワインエキスパートが徹底解説
  • 【料理とのペアリング】ソーヴィニヨン・ブランと合う料理
  • 【ワインエキスパート厳選!】ソーヴィニヨン・ブランのおすすめワイン12選

この記事を書いている私は、ワインエキスパートと調理師の資格を取得、30歳でワインのネットショップを起業。
現在もワインの販売員として売り場に立っており、ついにワイン歴15年を突破しました。
ワインは難しくありません。今から解説します。

 

Contents
  1. 【ブドウ品種の基本】ソーヴィニヨン・ブランってどんな品種?
  2. 【ブドウ品種の基本】ソーヴィニヨン・ブランってどんな味?
  3. 【ブドウ品種概論】ソーヴィニヨン・ブランをワインエキスパートが徹底解説
  4. 【料理とのペアリング】ソーヴィニヨン・ブランと合う料理
  5. 【ワインエキスパート厳選!】ソーヴィニヨン・ブランのおすすめワイン12選
  6. まとめ

【ブドウ品種の基本】ソーヴィニヨン・ブランってどんな品種?

画像はイメージです。

ソーヴィニヨン・ブランはシャルドネと並んで知名度のある白ワイン用ブドウです。
シャルドネを一通り経験し、その後にソーヴィニヨン・ブランへ進む方もいます。
爽やかなハーブのアロマと、フレッシュな酸味が特徴です。

 

【ブドウ品種の基本】ソーヴィニヨン・ブランってどんな味?

それでは、テイスティングの基本に則って解説します。
テイスティングは、ワインの「外観」、「香り」、「味わい」に分けて分析します。

【テイスティング】ソーヴィニヨン・ブランの外観

「淡いグリーンイエロー」から「明るく濃いイエロー」まで幅広いです。
基本的に、冷涼な産地だと緑、温暖だと濃いイエローになります。

【テイスティング】ソーヴィニヨン・ブランの香り

ソーヴィニヨン・ブランで特徴的なのは「ハーブのアロマ」です。この香りがしたらソーヴィニヨン・ブランだと分かるほど決定的な個性です。

  • トマトのヘタ
  • ハーブ
  • 若草
  • シシトウ
  • ピーマン
  • レモン
  • グレープフルーツ
  • トロピカルフルーツ
  • ネコのオシッコ

ソーヴィニヨン・ブランを表現するアロマは数多くありますが、この中で一番しっくりくるのは「トマトのヘタ」です。
つまり、ソーヴィニヨン・ブランは青い草の香りがするのです。

それとレモンやグレープフルーツのような柑橘系のアロマが混ざります。
これらが合わさると、非常に爽やかな印象になるのです。

【テイスティング】ソーヴィニヨン・ブランの味わい

シャープでキレのある酸味が特徴です。
産地によっては締まりのない薄い味になりますが、適したテロワールだと素晴らしいワインになります。

爽やかなハーブのアロマ、シャープな酸味、これらの要素がソーヴィニヨン・ブランを確固たる地位に押し上げています。

 

【ブドウ品種概論】ソーヴィニヨン・ブランをワインエキスパートが徹底解説

基本的な情報は以上ですが、もう少々深掘りしていきましょう。

ソーヴィニヨン・ブラン(SAUVIGNON BLANC)の起源

この品種はロワールを起源としています。
1710年~1720年にボルドーでソーヴィニヨン・ブランの言及がされており、永らくボルドー由来だとされてきましたが、1534年の著書にロワールとソーヴィニヨン・ブランを結びつける記述が見付かりました。

ソーヴィニヨン・ブランの親品種はサヴァニャン(SAVAGNIN)です。

横道に逸れますが、ソーヴィニヨン・ブランはロワールからボルドーへ広がり、そこでカベルネ・フラン(CABERNET FRANC)と自然交配しカベルネ・ソーヴィニヨン(CABERNET SAUVIGNON)が生まれました。

ソーヴィニヨン・ブランの栽培

非常に樹勢が強いため、成長を抑制する必要があります。
これは枝ではなく、ブドウにしっかりと栄養を送るためです。

また、早熟であるため、熟しすぎないように気を遣います。
シャープなボディが持ち味であるソーヴィニヨン・ブランは比較的早い時期に収穫します。

完熟させると締まりの無い冴えないワインとなるため、冷涼な産地の方が栽培に向いています。

ソーヴィニヨン・ブランの産地

ソーヴィニヨン・ブランは人気のある品種なので、世界中で栽培されています。

【フランス】ボルドー、ベルジュラック

セミヨン(SEMILLON)とブレンドされることが多く、ハーブや熟した柑橘系のアロマ、シャープでありながら若干の苦味を感じる辛口の味わいになります。
ボルドーの辛口白ワインには欠かせない品種です。

【フランス】ロワール

二大産地の一角を担っており、非常に優秀なソーヴィニヨン・ブランを生み出します。

特にサンセールやプイィ・フュメで偉大なワインとなり、柑橘系のアロマとミネラルに由来する石灰的な火打ち石のニュアンス、スパイス感が混ざります。
口に含むと、凜としたミネラル感が広がり、雑味の無いクリーンな辛口の余韻を感じます。

ハーブ香は控え目なので、「ソーヴィニヨン・ブラン=ハーブのアロマ」と捉えていると、ブラインドテイスティングでロワールのソーヴィニヨン・ブランを別の品種(シャルドネなど)と間違えることが多いです。

ロワールのカジュアルラインでもソーヴィニヨン・ブランの良さを引き出しており、日常飲みに大活躍するでしょう。

【フランス】サン・ブリ

ブルゴーニュ、シャブリと言えばシャルドネですが、シャブリ南西に位置するサン・ブリはソーヴィニヨン・ブラン100%でワインが造られています。
もともとキンメリジャンと呼ばれる石灰土壌がソーヴィニヨン・ブランに向いているので、キレのある辛口ワインに仕上がります。

【イタリア】

主に北イタリアで栽培されています。シンプルで爽やかな味わいになります。
南イタリアは温暖なのでソーヴィニヨン・ブランの栽培には向いていません。

【スペイン】

温暖なスペインでは、ソーヴィニヨン・ブランは薄くて平凡なワインになりがちです。
北部のルエダでは標高の高い畑からヴェルデホ(VERDEJO)と共に良質なソーヴィニヨン・ブランが栽培されています。

【アメリカ】カリフォルニア

ソノマやナパで有名です。温暖な気候のため、ふくよかでリッチな味わいになります。
ソーヴィニヨン・ブランでは珍しい樽熟成しているワインも見掛けます。ハーブ香は強くありません。

この地域ではソーヴィニヨン・ブランをフュメ・ブランと呼ぶこともあります。
一部地域でソーヴィニヨン・ブランの貴腐ワインを造っています。

【チリ】

チリのソーヴィニヨン・ブランは、実はソーヴィニヨン・ナッセ(SAUVIGNONNASSE)と言う別品種です。
この品種はイタリアではフリウラーノ(FRIULANO)と呼ばれています。

永らくチリではソーヴィニヨン・ブランと混同されてきたので、別名として法律で認められており、現在でも古い樹はソーヴィニヨン・ナッセです。

新しい樹はソーヴィニヨン・ブランであるはず(消費者は分かりませんが)で、品質はとても良く、ハーブのニュアンスを感じ取れます。

【オーストラリア】

ニュージーランドでソーヴィニヨン・ブランが大成功したので、オーストラリアでも人気の品種です。
セミヨンとブレンドされることにより、優秀なデイリーワインとなります。

一部地域で貴腐ワインを造っています。

【ニュージーランド】

ロワールと並んでソーヴィニヨン・ブランの二大産地です。
インパクトで言えばロワールを超え、正にソーヴィニヨン・ブランのチャンピオンでしょう。

特にマールボロのソーヴィニヨン・ブランが有名で、鼻孔を突き抜けるハーブ香(トマトのヘタ)のアロマ、キレのある酸味、それでいて濃厚な果実味は他国と一線を画します。
ロワールのソーヴィニヨン・ブランを高貴で控え目と呼ぶなら、マールボロは陽気でパワフル、とてつもないインパクトがあります。

有名シャンパンメーカー「モエ・エ・シャンドン社」のクラウディ・ベイが大成功を収め、世界的に認知されました。

【その他の産地】

  • ポルトガル
  • ドイツ
  • オーストリア
  • スイス
  • チェコ
  • スロベニア
  • ルーマニア
  • モルドヴァ
  • ロシア
  • ギリシャ
  • イスラエル
  • メキシコ
  • インド
  • 日本

ソーヴィニヨン・ブランのシノニム(別名)

  • <フランス/ロワール>ブラン・フュメ(BLANC FUME)
  • <フランス/ロワール>フィエール(FIERS)
  • <フランス/ロワール>ソーヴィニヨン・フュメ(SAUVIGNON FUME)
  • <フランス/ロワール>ソーテルヌ(SAUTERNES)
  • <フランス/ロワール>スラン(SURIN)
  • <フランス南西部/ベアルン>サヴァニャン・サヴァニョー(SAVAGNOU)
  • <ドイツ・オーストリア>ムスカット・シルヴァーナー(MUSKAT-SILVANER)
  • <モルドヴァ>スターン・マルント(SOTERN MARUNT)
  • <アメリカ>フュメ・ブラン(FUME BLANC)

 

【料理とのペアリング】ソーヴィニヨン・ブランと合う料理

柑橘とハーブのニュアンス、爽やかな酸味があるので、白身魚のカルパッチョ、生牡蠣、ムニエルなどの魚介料理、唐揚げ、カキフライなどの揚げ物、青い香りのあるチンジャオロースが合うでしょう。

 

【ワインエキスパート厳選!】ソーヴィニヨン・ブランのおすすめワイン12選

ハーブのアロマが爽やかなソーヴィニヨン・ブランです。紹介していきます。

【1,000円台・フランス『ロワール』】ギルボー・フレール トゥーレーヌ ソーヴィニヨン

お手軽プライスで、高品質なソーヴィニヨン・ブランです。
ハーブのアロマは控え目で、レモンやライムのニュアンスが爽やか。口に含むとキリッとした酸味が広がります。
フランスのロワールはソーヴィニヨン・ブランの聖地です。その真価を味わってみて下さい。

 

【1,000円台・ニュージーランド】ハーハ マールボロ ソーヴィニヨン・ブラン

上に紹介したフランスのロワールと、こちらのニュージーランドのマールボロは、ソーヴィニヨン・ブランの二大産地です。
ニュージーランドのソーヴィニヨンは、柑橘系のアロマよりハーブのアロマが強く香ります。
どこまでも爽やかでアロマティックな辛口ワインです。是非、お試し下さい。

 

【2,000円台・ニュージーランド】シレーニ エステート セラー・セレクション・ソーヴィニヨン・ブラン

日本で一番売れているニュージーランドワインブランド、シレーニが手掛ける人気の白ワインです。
ワイン会社エノテカの看板商品でもあり、知名度は抜群です。
フレッシュでクリアな味わいが幅広い料理と合う1本です。

 

【3,000円台・チリ】コノスル ソーヴィニヨン・ブラン 20バレル リミテッド・エディション

受賞歴多数の「間違いない」ソーヴィニヨンブラン。
柑橘系の果実香、ミネラル香、柔らかでフレッシュなハーブの香り。
凝縮感のある果実味、洗練度の高いクリーンな酸味があり、爽やかで上品な味わい。

 

【3,000円台・フランス『ロワール』】エルヴェ・ヴィルマード ヴァン ド フランス ブラン ソーヴィニヨン

ビオロジック農法を実践。全て手摘みによる収獲、野生酵母にて醸造。
アロマに溢れた、土地の風味が最大限に生かされたピュアな味わいに仕上がっています。

 

【4,000円台・フランス『ロワール』】サンセール レ カルケール

フランスのサンセールは高価なワインが多いですが、こちらのワインは比較的リーズナブルで本格的な味わいです。
ニュージーランド程、ハーブ香で主張してきませんが、柑橘系のアロマや火打ち石(ミネラル感)のニュアンスがワインに立体感を与えています。
ソーヴィニヨン・ブランの入り口として、敢えて高価なワインをセレクトするのも良いでしょう。

 

【4,000円台・フランス『ロワール』】セバスチャン・リフォー サンセール アクメニネ

自然派醸造のスペシャリスト。
SO2無添加の奇跡のサンセールです。
濃い黄金色、ママレードやカリンジャム、干し柿、びわのアロマが一瞬で拡がり、たっぷりのエキス感と溶け込んだ酸に完熟メロンのニュアンス、はちみつ香のあるアフターがふくよかな印象を与えます。

 

【4,000円台・フランス『ロワール』】ドメーヌ・トロテロー カンシー VV

最高の環境がそろった年のみに造られる特別キュヴェです。
1905年と1934年に植えらたソーヴィニヨンブランから造られます。
一般的なソーヴィニヨン・ブランとは一線を画す厚みとミネラル感。
グレープフルーツ、アーモンド、ほんのり火打石のニュアンスを感じる辛口です。

 

【4,000円台・ニュージーランド】クラウディ ベイ ソーヴィニヨン ブラン

ニュージーのソーヴィニヨンと言えば、クラウディ ベイと言っても過言ではありません。
価格分の満足感は得られるでしょう。
活気に満ちた熟した柑橘類と繊細なストーンフルーツ、食欲をそそるミネラル感とフレッシュな果実味を感じる、生き生きとした仕上がりになっています。

 

【4,000円~5,000円台・日本】シャトー・メルシャン 椀子ソーヴィニヨン・ブラン

柑橘系の果実やパッションフルーツのアロマに加え、ハーブのニュアンスを感じさせる、さわやかな酸味が楽しめるワインです。
長野県上田市丸子地区の陣場台地にある自社管理畑『椀子ヴィンヤード』のソーヴィニヨン・ブランを使用しています。

 

【5,000円~7,000円・イタリア『フリウリ ヴェネツィア・ジューリア』】アジィエンダ・アグリコーラ・ヴィエ・ディ・ロマンス ヴィエリス ソーヴィニヨン・ブラン

蜂蜜漬けのグレープフルーツや金柑のような強いアロマ。
トロッとした厚みのある舌触り。
豊かな果実味がありつつ、爽やかな余韻が続きます。

「完熟状態のソーヴィニヨンを使用、樽で熟成させた手の込んだ1本。フルーティだが、樽のボリューム感があり見事というほかない。」

 

【6,000円台・フランス『ロワール』】サンセール テール ブランシュ ヴィルボワ

世界一のソーヴィニヨン・ブランと名高いサンセール。
サンセールのテロワールを見事に表現しています。
非常にピュアな味わいで、繊細でエレガントな辛口に仕上がっています。

 

まとめ

ソーヴィニヨン・ブランはロワールを起源とし、ハーブのアロマが爽やかな大人気の品種です。
フランスのロワールやニュージーランドのワインを選んでみると個性が分かって面白いでしょう。

それでは、楽しいワインライフを!

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「WINE LINE」は無資格状態からワイン業界に転職し現場で揉まれ、ワインエキスパートを取得して最終的に独立まで果たした管理人の雑記ブログです。本業と副業で、ワインショップや酒売場の勤務経験が15年突破しました。ひたすら現場主義!ワインエキスパートと調理師の資格所持。ワイングラス日本酒アワード審査員。宜しくお願いします。 ▶プロフィール・お問い合わせ

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