ワインエキスパートの葡萄酒学

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【ワインの資格】取るならどっち?ソムリエとワインエキスパート

2023年5月19日

就職に有利なワインの資格

ワイン・ラインの試飲用ワイン

ワイン関係の資格と言えば、日本ソムリエ協会が認定している「ソムリエ」「ワインエキスパート」が有名だ。
他にもワイン検定やWSET、ワインコーディネーターなど複数あるが、就職に役立つのは前に挙げた2つだろう。
一昔前は求人の募集要項でソムリエの方が優遇されていることが多かったが、最近ではワインエキスパートでも同等の条件であることが増えたと思う。

ソムリエとワインエキスパートの違い

ソムリエは酒類関係の職業、ワインエキスパートは愛好家という位置づけだ。
両者の違いは実務経験があるかどうか、試験内容では実技のあるなしだが、難易度と合格率は大差なく、年によってはワインエキスパートの方が合格率が低いこともある。
特にテイスティング試験に関してはワインエキスパートの方が出題数が多く、決して侮れないのである。

最近の事情と背景

私が勉強をしていた頃のソムリエ試験の受験資格は「酒を扱う飲食店の実務経験が5年以上『ただしソムリエ協会員はある程度免除』」だったが、2016年からは3年以上になっているようだ。
当時は「飲食関係はソムリエ」、「小売業やインポーターはワインアドバイザー」、「愛好家はワインエキスパート」と資格が明確に分かれていたが、現在は酒関係の仕事に従事してる方はソムリエに統一され、それ以外はワインエキスパートとなっている。
ワインアドバイザーの受験資格が実務経験3年以上だったため、呼称がソムリエに統一された際にソムリエの勤務年数も3年に合わされたわけだが、別に5年のままでも良かったはずである。

短い方に合わせ受験資格のハードルを下げた理由を考察するに、酒離れが激しい昨今においてのソムリエ人口確保、それに付随する受験料の問題、「なんちゃらソムリエ」と呼ばれる資格が乱立される中での認知度の回復・・だと思われる。
「ソムリエ=ワインのプロ」なのだから、その認識が薄れないようにソムリエ人口を増やす必要があるのだ。(・・と思う)

取るならソムリエ?ワインエキスパート?

当時の私は実務経験が1年ほど足りなかったため、ワインエキスパートを取得した。
上司や先輩方は職歴を誤魔化してソムリエを受験することを勧めたが、私はワインエキスパートを選んだ。
不正の上にワインの経歴を積んでも後々後悔することになると思ったからである。
例えば、資格取得してから10年後に、テイスティングのコンクールで優勝した後、経歴詐称が発覚したら・・?
最近のソムリエ協会のサイトを見ると、以前より審査が厳しくなっているように思えるので、誤魔化すのは辞めて清廉潔白で受験しよう。

自分の状況に合わせて受験する

学校を卒業し、最初からソムリエになりたい方は少数派だろう。
そもそも二十歳まで飲酒は出来ないし、ワインを飲んだこともない方が多いはずだ。
つまり社会に出て何かしらの「出会い」があり、志すものだと思う。
要するに、社会人として受験する場合、実務経験が足りないことが多いだろう。

ソムリエにこだわりたい!

ソムリエにこだわる方は、転職して実務経験を積むしかない。
ただ、転職はハードルが高い上にリスクもある。
飲食業界は敷居は低いがハードだし、ワインインポーターは若者が酒を飲まなくなった昨今、未来は明るくない。
そのような過酷な環境で勉強をしながら3年間耐えられるだろうか。
勇気を出して転職し勉強を始めて「あ、自分には向いていないかも」と後悔することになるかもしれない。

飲食へ転職すると・・
  • ランチ・ディナーで生活が不規則になる
  • 勤務時間が長い
  • オフは試飲会へ
  • 年下の先輩からのパワハラ(飲食のパワハラは下品でレベル低いです、蹴られたり包丁突きつけられたり)
  • 生活が不規則なのでスクールに通いにくい
インポーターへ転職すると・・
  • ワインインポーターは規模が小さいので待遇が悪い(食品商社のワイン事業部なら少しはましだが、大抵扱うワインが不味い)
  • ヌーヴォーや年末商戦のノルマがきつい
  • オフは試飲会へ(提供する側)
  • ワイン会社は変人が多い
  • 飲食よりはスクールに通いやすい
ワイン業界共通事項
  • ワイン業界は特殊なので、もし嫌になって辞めてもつぶしが効かない
  • ワイン業界の給料は低い
  • ワインの勉強量が膨大な上、終わりがない(毎年味が変わるため)
  • ワインは歯に悪い、セルフケア必須(ワイン業界では歯が無い人、結構います)

これらを読んでも気持ちが萎えなければ転職しても良いかもしれない。
ソムリエとワインエキスパートの差は無くなってきているとは言え、職場ではソムリエの方が優遇されることもあるからだ。
「いや、私はソムリエにこだわりたい!」と言う熱い思いはワイン業界にとってもプラスである。

ワインエキスパートの利点

何と言っても職に縛られないことである。
今の仕事で安定した生活を送りながら、スクールに通い資格取得を目指せる。
社会人にはワインエキスパートをお勧めする。
重複するが、ソムリエとワインエキスパートの差は無くなってきている。

就職においてソムリエとワインエキスパートの差は?

例えば有名ブルゴーニュを卸している某百貨店のワイン売り場ではソムリエとワインエキスパートで給与に差を出していたが、最近では(少なくとも求人情報には)無くなった。
何が何でもソムリエが一番と言う考え方は前時代的である。
逆にそのようなことを書いている求人は避けた方が良いだろう。
最近は「ワイン関係の資格歓迎」と言う表記が増えてきたように思う。

ワイン業界に転職したいけど、ワインエキスパートで良いの?

これは年齢にも関係してくる。
20代前半なら時間もあるが、30代だと1年1年が重くなってくる。
ソムリエは実務経験が3年必要である以上、最短で3年かかるのだ。
後2年待てば・・、後1年待てば・・と言う方もいるだろうが、そこまで待てる方はそれで良いと思う。

ただ、待つくらいなら、さっさとワインエキスパートの資格を取得し、ワインの世界へ歩み出した方が有意義とも言える。
ワイン業界にワインエキスパートは多くいるし、資格を取得すればワインの仕事に就けるからだ。
3年待ってアラフォーになるくらいなら、ワインエキスパートの資格を取得し、週末ワイン販売のバイトでもした方が経験も積めて良い。
そこで自分の適性も分かるはずだ。

転職に資格は必須?

間違いなくソムリエかワインエキスパートの資格は必須である。
私は酒売り場の責任者として勤務していたが、新しい販売員が来る際は資格のあるなしは確認していた。
ただのワインオタクと資格所持者には明確な差があるのだ。
大事な試飲会ほど、資格所持者に依頼したくなるのは、当然のことである。

30代で転職するなら、必ず資格は取得しておこう。
20代なら職場で経験を積みながら資格取得を目指すのもありだ。
その際はノルマの厳しい週末の試飲販売ではなく、やまややエノテカ、スーパーの酒売り場などに転職し、経験を積もう。

まとめ

ワイン業界に転職するなら、ソムリエ・ワインエキスパートの資格は必須である。
ソムリエ受験資格である実務経験3年以上を待つ余裕があるならソムリエ、さっさと転職したいなら待つよりワインエキスパートの資格を取得した方が良い。

ワインの勉強をしないと分からないこと、ワインの仕事をしないと分からないこと、自分の適性など、想像では埋まらないことが多い。
取り敢えず、ワインスクールで1つの講座を受講してから検討しても良いだろう。

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