ラディコン オスラーヴィエ 2018年のレビュー
ラディコン オスラーヴィエ 2018年について語る。
テクニカルデータ
商品名:ラディコン オスラーヴィエ 2018年
Radikon Oslavje 2018
価格:約5,700円(変動します)
容量:500ml
呼称:イタリア/フリウリ ヴェネツィア ジュリア/IGT ヴェネツィア・ジューリア
タイプ:白(オレンジ)/辛口
品種: シャルドネ / ソーヴィニヨンブラン
栽培:1995年から畑での除草剤や化学肥料などの使用をやめ、化学薬剤の介在がない農法へと移行
アルコール度:13度
備考:オスラーヴィエは、彼らのワイナリーがある村の名前オスラーヴィアのスロヴェニア語表記。ラディコンのブルーライン。
インポーター:ヴィナイオータ
テイスティング
「外観」、「香り」、「味わい」ごとに考察する。
外観はオレンジがかった黄金色。
クリアーな様相を呈している。
ワインの足の粘度はやや強め。
スワリングすると、オレンジ、マンダリン、アプリコットのアロマが香る。
ハチミツや紅茶等の果実以外のニュアンスもあり。
口に含むと、リンゴ、ハチミツを彷彿とさせる風味を伴うボディを感じる。
紅茶のようなタンニン、ジンジャーのスパイス感がフィニッシュに顔を出す。
辛口の味わい。
料理とのペアリング
白よりコクと複雑味があるオレンジワインは揚げ物と相性が抜群。
画像はコーン入りメンチカツ。
豊かなタンニンとブドウの旨味は油を含んだ料理とマッチする上に、口の中の油っぽさをスッキリとさせてくれる。
メンチ以外にも、カツや魚のフライ、揚げ餃子等とも合うだろう。
生産者
ラディコン(Radikon)
1807年にフリウリ ヴェネツィア ジューリア州オスラーヴィアに設立された。
第一次世界大戦の終戦後間もなく、1920年に現当主サシャの祖父エドアルド(エトゥコ)によってワイナリーが始められ、1980年よりサシャの父スタニスラオ(スタンコ 当時23歳)にワイナリーは委譲された。
それまで量り売りしていたワインを自らボトリングするようになり、スタンコが引き継いだ当初は、世界に通用するワインを目指し、シャルドネやソーヴィニョンなどの国際的なブドウの導入、ヘクタールあたり9500~10000本という高密植、圧縮空気式の圧搾、バリック内での醗酵と熟成、という当時の白ワインの世界で最上と考えられてきた醸造方法を実践していた。
赤のように複雑な白を、できる限り自然な醸造で
最上の醸造を実践した結果、ラディコンはフリウリを代表するワイナリーとして評価を高めることになる。
生まれ故郷であるコッリオは伝統的に白ワインの産地であり、スタンコは「赤ワインが白ワインよりも高価に取引されている事実は、赤の方が白よりも複雑な味わいを持ち、価値が高いものであると世間から認識されているからではないか?」と疑問を持つ。
赤のような複雑な味わいの白、それを出来る限り自然な醸造で造ることができないかと考察を重ねていく。
スタンコは父エトゥコが行なっているマセレーション(皮や種ごとの醗酵)という仕込みに着目。
1日目、2日目と収穫されたブドウを除梗もせずに皮や梗ごと木桶に漬け込むと、自重で潰れたブドウからジュースが出て醗酵が始まるのだ。
★父がマセレーションを行っていた理由は下記の3つ
- 電気のない時代に、粒の大きな完熟したリボッラを手動の圧搾機で絞ることが難しかった。
- 皮に含まれるタンニンが天然の酸化防止効果を持つ。
- 皮を漬け込むことで皮が柔らかくなり、手動の圧搾機でも限界まで搾れるので、その分果汁が多くとれ収量が増える。
白ブドウを赤ワインのように仕込む・・、今ブームのオレンジワインの醸造法である。
土着品種リボッラ ジャッラでのマセレーション
1995年に土着品種である「リボッラ ジャッラ」こそ自分たちの土地に適合してきたブドウであり、最も注目されるべき品種だと考えるようになる。
そして畑での除草剤や化学肥料などの使用をやめ、化学薬剤の介在がない農法へと移行。
コルクやボトルまでも、ワイン界の通念を壊していく
ラディコンは良質な天然コルクが今後入手困難になることを想定。
そして、コルク業者に今までにない細いコルクを、ボトル業者に小さな口径の瓶を開発してもらい、2002年からボトルを750mlから500ml&1000mlに変更。
空気の接触率が従来の750mlと同じで酸化しにくく、ランチでも2人で飲める500mlのボトルを導入した。
ラディコンのブルーライン
父スタンコからサシャが引き継いだ、ラディコンのスタンダードな仕込みで造られるブルーライン。
樫の開放醗酵槽にて2~4か月間のマセレーションとアルコール醗酵(期間はヴィンテージによって異なる)、圧搾後2500~3500リットルの大樽にて3年間、瓶内で2年半熟成を行いリリースされる。
二酸化硫黄無添加。
息子サシャへのバトン、セカンドライン(Sライン)の誕生
2006年から息子のサシャがワイナリーの経営に参画。
2009年からスタンコが個人事業主だった状態から、サシャと共に会社組織へと変更。
2016年9月10日スタンコ ラディコン永眠(62歳)。
サシャが当主となり、母スザーナと共にスタンコの意志とワイナリーを引き継いだ。
ブルーライン(通常のキュヴェ)は長期間の醸し醗酵による、ブドウから最大限の抽出を行っている。
その醸造法由来の豊かなタンニンを丸くするため、生産量の8-9割を占める白ワインは、樽できっちり3年寝かせ、ボトリング後も瓶で3年寝かせているため、収穫年から約6年後にリリースされる。
(赤にいたっては収穫年から約10年)。
その時間的、空間的コストのリスクを軽減するために、サシャの提案で生まれたのがS(サシャ)ライン。
生産量の一部だけでもできるだけ早い段階で現金化し、リスクを軽減すると同時に、結果生産量が減ることになる上級キュベに、より強いスポットライトが当たるようにするセカンドラインの仕込みが始まる。
樫の開放醗酵槽にて8~10日間のマセレーションとアルコール醗酵(期間はヴィンテージによって異なる)、圧搾後2500~3500リットルの大樽にて12か月間醗酵の続きと熟成を行い、ステンレスタンクで数か月休ませ、瓶内で2か月間熟成を行いリリースされる。
二酸化硫黄は瓶詰め時に少量のみ添加。
ラディコン オスラーヴィエとは
元々単独で瓶詰めされていた国際的な品種(シャルドネ、ソーヴィニョン、2007年まではピノグリージョ、2000年まではフリウラーノも)を混醸したワイン。ブルーライン。
オスラーヴィエは、彼らのワイナリーがある村の名前オスラーヴィアのスロヴェニア語表記。
Sラインの生産量が増えオスラーヴィエの生産量が減ったこと、フオーリダルテンポが2007年以降生産しないことによって、セレクションしたシャルドネとソーヴィニョンを全てオスラーヴィエに使うことになった。
(インポーター資料から抜粋)
ワインエキスパートの総評
紅茶やジンジャーの要素を感じるオレンジワイン。
野性味を纏うオーガニックワインである。
オレンジワインは法律的には白に分類されるが、適度なタンニンを感じるので、肉料理とも合うだろう。
コラム【開けたワインは冷蔵庫へ】
日本は暑い国なので、開けたワインは冷蔵庫へ保管しよう。
私の場合、開けていない赤ワインを冷蔵庫へ入れることもある。
日本の日差しの強さや猛暑日はワインの天敵である。
管理人運営のショップ
未経験からワイン業界へ飛び込み、資格を取得した管理人のショップ。
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